いまや光回線インターネットなどブロードバンド環境はなくてはならないインフラの1つになりました。
そして家の中ではWi-Fiルーターを設置して、スマホやタブレット、ノートパソコンなどを気軽にネット接続できる環境を整えている家庭も多いのでは?
でも2階建てだったり、広いマンションに住んでいるとWi-Fi電波がうまく届かなくて困った経験はありませんか?
そんな悩みを解決できる新しいシステムがメッシュWi-Fiで、ここ1~2年で対応機器が増え、普及も進んできています。
そこでここではメッシュWi-Fiがどんなものなのか?導入するメリットやオススメルーターをピックアップして紹介していきます。
メッシュWi-Fiシステムとはどんなもの?
メッシュWi-Fiとは、デバイスのグループを1つのWi-Fiネットワークとして動作させるシステムで、複数のWi-Fiポイントを設置できます。
従来のWi-Fiは、距離が離れるに連れて信号が弱くなり通信が不安定になってしまうケースもありましたが、メッシュWi-FiではWi-Fiポイントによって壁を越えた場所や階を跨いだ部屋など電波の届きにくいエリアでも回線品質を保つことが可能です。
さらに強力な自己修復機能があり、従来のWi-Fiネットワークではルーターが故障するとすべてのデバイス間の通信が切断されてしまいますが、メッシュWi-Fiでは1つのWi-Fiポイントが故障しても別のWi-Fiポイントに転送され通信を継続することができます。
また設置したすべてのWi-Fiポイントは相互接続されており、常に条件のよい最速の経路が自動選択されます。
このようにいろいろなメリットのあるメッシュWi-Fiルーターですが、対応機器が登場したのは2016年のこと。
まだまだルーターの選択肢が少ないのがネックではあります。
ただし最近メッシュWi-Fiルーターを発売するメーカーが増えてきたので、代表的な機器をピックアップしそれぞれのメリットを解説していきます。
オススメのメッシュWi-Fiルーター
Google WiFi
便利で快適なメッシュWi-Fiを利用できるルーターの中でもオススメなのが、2016年に登場以降根強い人気を博している【Google WiFi】です。
実売価格は1台で16200円、3台セットは42120円で1台あたりに換算すると14040円とかなり割安な価格になります。
CPUにはクアッドコアで700MHzのIPQ4019、メモリは512MBを搭載して制御を司り、ネットワークプロトコルはIEEE802.11acのwave2に対応し、最大866Mbpsの快適なメッシュWi-Fi環境を構築できます。
設定用のBluetoothを搭載し、専用アプリをインストールしたスマートフォンからデバイスに記載されているQRコードを読み取るだけで簡単に設定を済ませられるのも便利です。
デュアルバンドに対応し2.4GHz帯と5GHz帯を同時利用可能で、さまざまなデバイスを接続させることが可能できます。
日本国内向けにもっとも早くリリースされた【Google WiFi】は、度重なるバージョンアップでブラッシュアップも進んでおり、安定性や使いやすさが増しているのも強みです。
TP-LINK Deco M5
コストの面でもっともオススメなのは、TP-LINKの【Deco M5】で、実売価格は1台で10820円、3台セットは25760円で1台あたりに換算すると約8586円。
Google WiFiよりも圧倒的な割安価格を実現しているのが最大の特徴です。
前述のGoogle WiFiとの大きな違いは、CPUのIPQ4019が700MHzから717MHzとややクロックアップしている一方で、メモリは256MBと半分になり、通信速度は2.4GHz帯では300Mbpsから400Mbpsと引き上げられています。
また【Deco M5】には、ウェブブラウザからの設定は不可能でスマートフォンアプリからのみの設定となり、ここにコストダウンの一端が垣間見えます。
ウェブブラウザからの設定が必要なシーンがあることはそれほどないと思いますが、ルーター単体で設定完了できないのはデメリットですね。
NETGEAR Orbi(オービ)
ハイエンドモデルでオススメなのはNETGEARの【Orbi】で、1台の単品販売は無く、実売価格は2台セットが39790円で1台あたり19895円、3台セットが66600円で1台あたり22200円となっています。
ハイエンドモデルだけあって、ここで紹介するメッシュWi-Fiルーターの中で一番高額な機器です。
CPU、メモリ、対応ネットワークプロトコルはGoogle Wi-Fiとまったく同じスペックですが、【Orbi】の大きなアドバンテージとなるのがトライバンドに加えてチャンネル数とストリーム数の増加です。
前述の2機種は2.4Ghz帯と5GHz帯WI1の2つの周波数帯に対応していますが、【Orbi】ではさらに最大1733Mbpsという高速通信を実現する5Ghz帯WI2が加わりました。
チャンネル数は2.4GHz対の1chから13ch、5GHz帯のW52に加えて、5GHz帯のW53とW56が加わりました。
ストリーム数は2に対してOrbiでは2+4と大幅に増加し、複数のデバイスから同時利用しても快適なネットワークが利用できます。
さらにorbiではスマートフォンアプリからの設定は行えませんが、従来型のウェブブラウザからの設定が可能であるのに加えて、WPSを搭載しているので対応機器であればボタンひとつでWPSモードに切り替えてからデバイスを近づけるだけで簡単に設定が可能です。
また前述の2機種には無いUSB端子が搭載されており、外付けハードディスクなどのストレージデバイスを接続して共有すればOrbiをネットワークストレージサーバーとして機能させることもできます。
まとめ
室内でのインターネット環境を快適にするメッシュWi-Fiシステムについて解説しました。
今回は以上のように普及率とブラッシュアップ、コスト面、スペック面からオススメの機種を紹介しました。
2016年頃にGoogle WiFiが日本国内向けに投入されてからしばらくは独占状態が続きましたが、ここに来て各社から新製品が続々リリースされ、現在ではメッシュWi-Fiを構築するにあたりユーザーの選択肢が大幅に広がっています。
利用する物件の構造、通信元となるルーターからの距離、接続させたいデバイスに対応した通信プロトコルや台数などの利用条件、予算など自分のお財布と相談しながら最適なルーターを選びましょう。