賃貸物件を選ぶさいには公共インフラのサービスが付いてくるかもポイントになりますが、近年一般的になりつつあるのがインターネット無料で利用できるものです。
通常の賃貸物件の場合には、部屋との賃貸借契約を交わして得られるのは部屋の使用権であり、電気やガス、水道、電話など公共インフラの契約は入居者が個別に行うことになります。
いずれも使う人によって料金が変わってくるので、家賃に含まれるというケースは少ないものです。
しかしインターネット回線に関しては、契約すれば定額で利用することができるため、ネット無料としている賃貸物件も増えています。
レオパレスのレオネットなどは有名ですね。
そこでネット無料物件の特徴やメリット・デメリットをまとめました。
ネット無料サービスのある賃貸物件はお得?
ネット無料賃貸物件のメリット
入居してすぐネットが使える
ネット無料の賃貸物件のメリットとしては、そのままですが新たな契約を行わなくてもインターネットが利用できるということです。
工事する必要ない
有線のインターネット回線を利用する場合には工事が必要ですが、その手間もなく無料で使えるのが大きな魅力になります。
このような物件の場合には引っ越したその日からインターネットを利用することができるので便利です。
とくにインターネットを通じて手続きが行えるものがあれば、わざわざ出かけなくても手続きを終えられます。
しかし実際のところ、ネット無料の賃貸物件は利便性が唯一のメリットで、比べてみるとデメリットが大きくなることもあります。
ネット無料物件のデメリット
無料で使えるからといって、なんでも良いわけではありません。
次のようなデメリットもあります。
回線速度が遅い可能性もある
インターネットを利用していて問題となるのが回線速度です。
インターネット回線で使われているのは、現在では光ファイバーを使っていますが、古い場合にはADSLなどが使われていることもあります。
さらに問題点としては、ひとつの回線契約を行って部屋に分配して提供している場合です。
この場合には分配される戸数が多いと回線速度が低下するので快適に利用できない場合があります。
一般的な光ファイバー回線では1Gbpsの通信速度での契約となりますが、これを10戸で分けて利用すれば各部屋は実質100Mbpsみたいなものです。
(もちろん全員が常にネット接続し続けてフルで回線をつかっていることは稀ですが・・・)
また必ずしも均等に回線速度が割り当てられるわけではないので、利用者が多い時間帯は回線速度に顕著にあらわれます。
とくに現代では動画サイトを利用するケースも多いと思いますが、動画はデータ容量が膨大であり、この点で回線速度が確保されないのは動画を視聴する上では不利です。
回線トラブル発生時の対応が遅れがち
それに回線トラブルが発生した場合の対応にも差があります。
ルーターが故障した場合には交換することになりますが、管理者を通じて行う必要があり対応が遅ければその間はインターネットが利用できません。
この点で自身で回線を引き込んでいれば自身で対応をすることができるので、はやく処置することができます。
セキュリティ面での不安
それと近年は悪意ある利用も多くセキュリティリスクが高い場合があります。
もちろん自身もセキュリティに対して十分な理解が必要ですが、ルーターのセキュリティが低い場合には不正アクセスのリスクは増大するでしょう。
ホテルなどで一時的に利用するという性質のものであれば、公共的なネット回線を利用するのは便利なものですが、毎日使用する場合やトラブルなく過ごしたいといった場合には、デメリットとなりえます。
本当はネット無料ではないかもしれない
注意しなければならないのが”ネット無料”という言葉です。
これは家主がネット回線を無料で提供してくれているように思えますが、実際には使用料を家賃や管理費に上乗せしている可能性があることです。
このためネットを利用すると家賃や管理費に差が出るのか確かめる必要があります。
短期の賃貸契約ならメリット大
一方無料で使える物件のなかで人気があるのは、ウィークリーやマンスリーといった短期間で借りることができるものです。
理由としては短期の契約であるため、わざわざ新しく回線を利用するための工事を行わなくてもインターネットが利用できることです。
反対に2年以上住む場合には回線を個別に契約した方がお得になります。
通信速度を必要としない使い方なら十分
もともとプライベートであまり固定回線を利用していない場合や、利用するコンテンツによっては有利になります。
たとえばブログを書いたり、ネットサーフィンをするといったものであれば、通信速度もそれほど求められませんから、回線速度の問題は気にしなくても大丈夫です。
いずれにしても家賃や管理費に上乗せされていなければ、有って損するものではありませんが、テレビ代わりに動画を視聴したり、またオンラインゲームを快適に行いたい場合には物件の状況によっては快適に利用できないことがあります。
ネット無料物件を選ぶときのポイント
ネット無料の賃貸物件としては、アパートでもマンション、また貸家などでも見られますが、利用するさいには契約している回線の種類と利用者数を知ることが必要です。
回線が十分なものでなければせっかく用意されていても満足に使えないこともありますし、利用者数が多い場合も同様です。
とくに小規模な戸数のアパートの場合には一般的な光ファイバーの契約としているところもあります。
一定の戸数があるマンションの場合には、業務用の回線が契約されているのか見る必要があります。
まとめ
ネット無料賃貸物件のメリット・デメリットをまとめました。
賃貸マンション・アパートを借りるときの選定基準に、インターネット無料がついてるかどうか?を見る人も多いでしょう。
すぐ使える、工事しなくていいなどお手軽さの面から見るとありがたいサービスです。
でも無料といいつつ家賃に上乗せしていることもありますし、その物件の入居者数で通信環境に悪影響を与える可能性もあります。
また異常に通信量が多い入居者がいたりすると快適性は望めません。
このあたりは運要素になってしまいますが、いいことばかりではないことは頭に入れておきたいですね。