光回線を利用した際に回線速度は十分出ているのにもうひとつ反応が遅い場合には、ping値が大きく影響している可能性があります。
ping値はインターネットサービスでよく見かける回線速度とは違う指標で、応答速度を意味しています。
何か操作したら画面内で反応するオンラインゲームなどで求められるのが応答速度です。
このping値はWiFiルーターなどのワイヤレス回線より、有線で繋がっている光回線のほうが安定していて速いのですが、何らかの原因によって遅くなることもあります。
ここではping値が遅くなる原因とその対処方法をまとめました。
ping値を低くして光回線をもっと快適にしよう
ping値が遅いと起こるトラブル
インターネットにおいてデータの送受信を行う際には、まずは使用しているデバイスからサーバーに対してリクエストが送信されハンドシェイクを行いデバイスとサーバーとの通信が確立されてからはじめてデータを受信します。
この一連の処理にかかる時間を表したものがping値で、低ければ低いほどレスポンスが良くなります。
通常、十分な回線速度が得られていればテキストベースのホームページやメールの受信程度ではさほど影響を受けることはありませんが、シビアな操作が求められるアクション系のオンラインゲームのプレイ、ハイビジョンや4kをはじめとする高精細な動画の閲覧を行うなど途切れることなく連続的にデータの送受信が必要な場合には大きな影響を与えます。
オンラインゲームの例
もしもping値が高い場合、例えば対戦型のオンラインゲームであれば操作を行っても無効になってしまったり、遠方に在住している相手プレイヤーの動きが手元のデバイス内で再現される処理が滞り気が付いたらダメージを受けていたなど快適なプレイが阻害されてしまいます。
一部のゲームタイトルではプレイヤー同士の公平な対戦を実現するために、プレイ前にそれぞれの回線速度の計測を行い著しく差がある場合には遅い方に合わせるというシステムを導入しているケースもあります。
動画再生の例
一方、動画の再生ではデータの送受信が遅延することで映像がコマ送りのようになったり音声が途切れてしまうなどの現象が発生しやすくなり、ソースの動画が本来持っているクオリティを楽しむことができません。
快適な目安となるping値は?
快適にインターネットを利用するためのping値の目安は一般的には50ミリ秒程度とされていますが、プレイするゲームタイトルや再生したい動画のクオリティによってはもっと低い値が必要です。
それらの問題を解決するために、ping値を低くすることでレスポンスを大幅に改善する方法があります。
ping値を改善する方法
多くの光回線では屋外の光ファイバーケーブルを建物の光ローゼットから宅内へ引き込み、主に使用したい部屋には光コンセントを設置します。
その光コンセントからONUまで宅内用の光ファイバーケーブルが接続され、その先はLANケーブルを用いてブロードバンドルーターや無線Wi-Fiルーターに繋ぎ、パソコンやスマートフォンなどの端末へと続きます。
ping値が高くなってしまう場合はプロバイダーや地域の光ファイバー網のトラブルなどを除き、上述の経路のどこかに問題があるケースがほとんどです。
光回線の周辺機器やケーブルの仕様をチェック
具体的な方法としては、まずは各機器やケーブルの仕様の確認を行います。
スペックに見合ったものを使う
昨今の光回線は1Gbpsのサービスが主流で旧型の100Mbpsは廃止の方向、その一方で10Gbpsが徐々に普及しようとしています。
それらの回線に接続する全ての機器やケーブルは仕様を統一する必要があり、もしも下位互換のケーブルが1本でもあれば遅いほうに合わせる仕組みになってしまうため回線本来の能力を発揮できずに大幅にレスポンスが下がってしまいます。
例えば1Gbpsの光回線を利用しているのであれば、ケーブルからパソコンやルーターに内蔵されているLANアダプターに至るまでの全てにおいてカテゴリー5e以上の製品を使用する必要があります。
Wi-Fiではなく有線接続する
Wi-Fiを使用する場合は電波状況や干渉などの要因を排除することは不可能なため、可能であれば有線LANに変更するのがおすすめです。
しかし、ケーブルの敷設が困難だったりスマートフォンやタブレット端末など有線LAN端子を備えていないデバイスしか使用できないなど環境によって止むを得ずWi-Fiを使用するしか無い場合には、可能な限りWi-Fiルーターと同一フロアかつ近距離で使用します。
Wi-Fi電波を強くする
Wi-Fiで接続しているなら、電波強度を強化できるWi-Fi中継器やメッシュWi-Fiを設置することでレスポンスを改善できる場合があります。
プロバイダを乗り換える
接続するプロバイダは上流の回線ほどレスポンスが良く、下流になるに連れてバックボーン回線が細くなりレスポンスが低下します。
もしも下流回線のプロバイダと契約してレスポンスに不満がある場合には、上流回線のプロバイダに乗り換えるのも検討の余地があります。
IPv6サービスを利用する
さらに考慮したいのが、昨今になって普及が進みつつあるIPv6サービスを利用する方法です。
従来型のIPv4のIPアドレスは32bitで構成されており最大で2の32乗個のアドレスを付与できますが、開発された当初は十分な数だと考えられていましたが現在では利用者の急増で慢性的に混雑が続いています。
一方のIPv6では128bitで構成されており最大で2の128乗個のアドレスが付与でき、比較的空いている状態です。
快適にインターネットを利用するためには、何かひとつがピンポイントの問題とは限らず総合的にチェックをして改善していくことが大切です。
まとめ
光回線の応答速度(ping値)を改善する方法についてまとめました。
ゲームや動画の画質などはどんどん上がっていきますが、最大限それらを楽しむためにはそれに見合ったネット環境を同時に整える必要があります。
光回線においては、回線速度で10Gbpsのサービスも増えてきました。でもping値が低ければ宝の持ち腐れです。
ping値改善には契約中の光回線のスペックに見合った機器を用意することになりますし、契約してるプロバイダやプランの見直しも必要になるかもしれません。
調べものやユーチューブ動画を観るなど一般的な利用方法であればあまり必要ないping値ですが、それ以上のハードな使い方をされるならここで紹介した改善方法をチェックしてみてください。